再録 「桜舞う山道を逃げる」

戦国時代か?

一人の女性と、小さな女の子を護りながら、永遠に桜の舞う不思議な山奥を縦走する

そんな夢を見た

その山は下生えもなく、桜の大木がなだらかな丘陵地に延々と咲き終え、散り収めかけている

満開ではなく、残った花びらと、花軸がパラパラと落ちて、地面をフカフカの絨毯のように覆っているのだ

その分 花の蜜と云うよりも、さらに熟成された・・酒の薫りにも似た 甘い芳香が山全体を覆い尽くしている

湿り気を含んだ空気の流れは、存分に鼻腔を満たし
なにやら 人の恋心を司る部分に直接に届き・・・・
・・・・・
刺激するみたいだ・・

その女性は黒髪で美しく、しなやかで軟らかい体型で細面・・・和装に包まれた腰や胸地の様子は・・・・ああ・・・・・
いつもは薄いシルクのワンピースに包まれている姿が、裸でいるよりもセクシーな・・・・
どこかで見た誰かのようだが・・・思い出せない・・・・

・・・・・

そして小さな女の子は・・・・多分・・・やはりその女性の一部分のようだ・・・・と想われる・・・
彼女の娘ではないのはわかる

二人は対等に話をしているし、時々重なり合って一人の存在になってしまう・・・・・
精神的多重人格が、夢の中の世界で具現化されているのか?

明らかに清らかなる童女と

明らかに男の精の味を知った艶めかしい美女・・・・

それは常に女性の中に共存していて欲しいものらしい・・・・だから男ってやつは・・・・・
・(-"-;)


そして
この2人には
追っ手がいる

人ではない
熊だ

黒く、巨大で、執念深く、欲望丸出しで野蛮で・・・・・・・残酷だ・・・

何故二人がこの黒く巨大な獣に執拗につけ狙われているのか・・・理由はわからない

ただ
ワタシは関ヶ原の戦いで西軍に組し、勝敗が決した後に落ち武者として山中をさまよい歩くうちに

この桃源郷のような山道に偶然踏み込んだのだ

そして偶然にも?

二人が熊に襲われかけている場面に遭遇したのだ

手にしている槍で眼球をえぐり出してやったら、巨大熊は逃げ出していった・・・・

その後、何度となく襲われ、その度に手傷を負わせて退けているのだが・・・・・・
ワタシも無傷ではいられなかったようだ

戦では掠り傷ひとつ負わなかったワタシが、熊のカギ爪のひとかきを側頭部にくらい、少しずつ視界がぼやけてきている・・・・
そう長くは保たない気がする・・・・


人喰いの熊は、狙った獲物に異常なまでに執着し、その匂いの元を狂おしい程に見境無く追い求めるものらしい・・・・

確かに彼女の腰からは得も言われぬ淫靡な香りが立ちのぼっており、山全体を覆う桜の蜜の香りと混じると・・・・それはそれは

ワタシ自身も陶然としてしまう程なのだ・・・・・・

時に自身の内に
あの熊と変わりない程の衝動が湧き上がることがあり、そのような時には、少し距離を置き、遠くに彼女の姿を認めていられる場所で
憤馬心猿を鎮めるのであった・・・

彼女の分身である小さな女の子の姿がそこにあるがために、ワタシも辛うじて人としての理性が保たれていたに違いない

そうでなければ、恥知らずにも、護るべき相手の彼女の甘やかな肉体を、むさぼり尽くしてしまうかもしれない・・・・・・・

自分が欲望のままの獣になりそうな予感は、あまりにも甘く、誘惑が強い・・・・・そして彼女も、拒みはしないように感じられる・・・・
それはワタシを見る瞳の輝きにも・・滲み出している・・・・そこに気付かない程、女性に疎くはないつもりだ・・・

だから
あの・・・彼女に狂ったように執着心を燃やす黒い巨大熊に対しては、
『敵に対する闘志』
と言うより
『もしかしたら自分もそうなってしまったかもしれない獣に対する哀れみ』
の感情が強いのかもしれないね・・・

だから毎回
トドメを刺せないでいるのだろうか・・・・・・・・
しかし

次に襲われた時には、完全に決着をつけずはなるまい・・・・・
そろそろ視界が白く霞んできているのだから・・・・


そんな

夢を見た

ああ・・・・
なんだかワタシの右腕が・・・・
いつの間にか黒い毛むくじゃらの獣の右腕に変化しているようだ・・・・・・

もしかしたらあの巨大熊は・・・・本当は・・・・・・


・・・・・・・・・

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by t102910291029 | 2016-10-19 01:59 | Comments(0)
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