旅客機ごと どこかに向かう夢

巨大な旅客機ごと
どこかへ向かう夢を観た

どうやらワタシは機長のようだ

その旅客機は少し変わっていて、機首の操縦席は斜めに斜面になった岡の先端みたいになっている
木立がまばらに立ち、地面には芝や柔らかい草が生えている
旅客機は海面すれすれをゆっくりと飛行し、時おり波しぶきを被ったりしている
イルカの群れに囲まれたり、巨大なクジラの翻る腹を観たりする
母親を亡くしたばかりの小さな姉弟が斜面にぽつんと二人で座っているので、二人の母親の記憶を画像にして空のスクリーンに映してあげる
記憶の画像はオーロラのように不安定に揺れるけれど、どれも幸せな想いに彩られている
二人を後ろから抱きしめながらワタシはどうしたらよいかわからなくなる

お母さんにすぐに逢えるからね・・・・とは言えない
せめて、この飛行をゆっくりと・・・・世界中を旅してまだ幼い二人にいろんなものを見せてあげたいのに・・・・と思う
行き着く先はもう、決まっているのだから

操縦席の岡の空気は湿った霧が流れる
北極海を抜け、暗いはずの空と海はオーロラで照されている
いつの間にか空は沢山の乗客の記憶のスクリーンとなり、人々の幸せだった場面がオーロラで再現されている
皆、静かに見上げている
この旅が最期の旅だと知っているから・・・・受け入れているから・・・・

機長であるワタシはあなた方を送り届ける事しか出来ない

そこにあるのは完全に静かなエントロピー極大のディラックの海だ
波もたたない静かすぎる海

そこに乗客を送り届けるのがワタシの役目だ


幼い二人の背中を抱きしめ、まだかすかに残る暖かさを感じて切なくなる


そんな夢だった





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by t102910291029 | 2018-02-12 08:24 | Comments(0)
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